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最近は、クラウドストレージサービスのBox、表題のZendeskが日本進出を発表するなど、BtoBの分野の会社が日本での展開を強化している。日本でもセールスフォースなどは日本でも短期間で大きくなった会社のように感じると共にトヨタを顧客として色んな広報活動が出来ている。トヨタに導入されたクラウドサービスと言うポジションを日本発のベンチャーがなぜないのかと思ったりするものです。

ソーシャルエンタープライズ企業で、20,000社の顧客、年商$100Mを超えIPOを控えていると言うAtlassianはオーストラリアから産まれた会社であるが、一方Zendeskはデンマークから産まれた会社であるらしい。同社サービスは投資先gambaが導入しているのと、日本法人の立ち上げニュースが気になっていたので少し調べてみた。

Crunchbaseやいくつかの記事などによれば

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■Zendeskは当初デンマークのメンバー三人によって2007年に設立され、クラウドカスタマーサポート分野の事業をスタート。
■当初のデンマークからアメリカ本社を移し、これまでに米VCのCharles River Ventures、Benchmark Capital、Index Venturesなどから累計$131M資金調達して事業を展開。
■クラウド型カスタマーサポートソフトウェア「Zendesk」は、メールフォーム、Twitter、Facebook、問合せ電話、ライブチャットなどあらゆる窓口に寄せられるユーザーからの問い合わせへの対応や履歴の管理・社内共有をクラウド上のツールを使って一元的に行うことができる。
■「Web ポータル」という機能を使えば、自社のブランド設定をしたユーザーサポートサイトの構築も簡単にすることができる。特に、SNS に投稿されたユーザーの声からサポートする必要がある書き込みを抽出する機能は、企業からも注目されている。
■初期費用は不要で、まずは30日間無料のオンラインサインアップだけで利用が可能。最小パッケージの「STARTER」プランは3ライセンスの利用で年額20ドルという低価格なのも特長で、企業の利用方法に合わせたカスタマイズもできる。
■全世界では、Adobe Systems、Microsoft、DELL、Walt Disney、Evernote などのグローバル企業から中小規模の企業まで3万社以上が利用、日本国内でも SEGA、リクルートホールディングスをはじめ既に100社以上の企業が導入している。

このような特徴があると言うが、下記の記事によるインタビューが面白かった。

クラウド型カスタマーサポートソフトウェア「Zendesk」の狙いとは : YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20130627-OYT8T00863.htm

気になった箇所は、主にそのサービス開発の思想であり、カスタマーサポートに求められるものが変わって来ていると感じたので紹介したい。

4つのカスタマーサポートの変化

1.顧客がソーシャルメディアによってマーケティング媒体へ

Zendesk CEOは、サービスを生み出した背景として、カスタマーサービスは、ここ5年で革新的な価値変化を遂げている。顧客は Facebook や Twitter で自身の体験を簡単に発信・共有できるようになり、企業とのコミュニケーションで生まれた満足や不満も共有される時代になった。つまり、顧客は企業によって重要なマーケティング媒体になった。

2.カスタマーへの高いUXが顧客をさらに産む

企業がカスタマーサービスで顧客に満足度の高い体験を提供すれば、その顧客は良い評判を生み出し、新たな顧客獲得のきっかけになる。カスタマーサービスは企業にとって新たな利益を生み出す存在になったのだ。

3.簡単、モバイル、クラウドによりシームレスにカスタマーサポートインフラを提供

有益な顧客体験を提供するためには、企業姿勢の変化だけでなく顧客のニーズに応える組織作りが求められる。それが、カスタマーサービスのシームレス性だ。「企業がカスタマーサービスに使用するソフトウェアにも変革が求められる。シンプルで簡単であること、どこでも対応できるモバイル性があること、管理を一元化できるクラウド性があること、そして組織の変化に柔軟に対応できる拡張性が重要だ。

3.カスタマーサポートもクラウドによる拡張性

 企業にとってソフトウェアに拡張性があることは重要な価値であると言える。例えば担当者を増員したとき、担当者を入れ替えたとき、24時間絶え間なく活動しているカスタマーサービスを、オペレーションを止めることなく、かつコストを抑えながら変化させることは簡単ではない。しかし、 Zendesk はチャネルやデータストレージ量や高度なカスタマイゼーションにも利用制限がなく、規模に応じてライセンスを追加したりセルフサービスオプションを充実させれば簡単に組織の拡張に対応することができ、設備投資のコストも掛からない。

4.良い武器だけでなく、企業努力も重要

 ただ、このような便利なサービスを導入すれば、企業のカスタマーサービスが劇的に改善するといえる程、カスタマーサービスは甘い世界ではない。そこには多くの企業努力が必要だ。Zendesk を導入すればあらゆる企業で素晴らしいカスタマーサポートができるようになるわけではない。ツールを活用するためには、企業がより一層カスタマーサービスに対して真剣になり、顧客と向かい合いニーズに応えるということに多くの労力を割かなければならないのだ。


以上。アメリカやグローバルで活躍するベンチャーは仕組みが強いと感じることが多く、そのような背景はこういったZendeskなどの仕組みの導入によるところも大きいと思っているので、参考にして行きたい。