先日開催したスタートアップとメディアのマッチングイベントSTARTUP PRESSにモデレーターとして参加頂いた堀潤さんの本『僕がメディアで伝えたいこと』を読んだ。

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大学時代から狭き門であるNHKアナウンサーの進路に進み、地方配属からのキャリアスタート、その後ニュースウォッチ9やBizスポなどの担当を振り返り、堀潤さんがアナウンサーとしてやりたかったことが書かれている。

彼の転機は東北大震災。情報をより正しく多くの人に届けたかったが制約があった。それらを踏まえ独立してスタートすることにしたと言う。

個人的に印象に残ったのは

○NHKとTwitterと堀潤さん
2009年冬。堀潤さんはSNSの重要性が高まるとしTwitterのアカウント取得をした。社内では肩書きやNHKの名前を出して発信することは禁じられていたが、実名で発信をしていた。

その後Twitterのフォロワー5000人を超えたあたりからNHKから勝手なことをしては困る、内規違反と注意が入る。

そこに、これからはインターネットと放送の融合が必要になる。公共の役割を果たすためにNHKが市民一人一人と繋がることは重要と説き伏せ、NHKの公式アカウントとなった。

2012年末には震災の前後では、報道に対する情報コントロールを間近に見てきた中でTwitterでの情報発信を続けアカウントの閉鎖を求められた。当時、10万人近いフォロワーがいた。

自分の一番正直な気持ちを伝えてきたTwitterを閉じるよう宣告される。

そこで、閉じることを意思決定したと共に個人のアカウントとしてのTwitterをオープンさせ、津田大介さんや坂本龍一さんが宣伝してくれたおかげで初日で2万人のフォロワーが集まった。これにより、SNSの時代には情報を押さえ込んだり隠したり出来ないとのことをNHK上層部に伝えることが出来たのでは無いかと思ったとのことだった。


これらの一連の流れは非常に印象的で社内の規則などに押さえつけられることはあれど、その中で堀潤さんなりに判断して行動し続けている。

イメージ的に日本人はこういったことで組織に押さえつけられがちだが、アメリカ人などはこのような個人が多いものなのかと思っている。堀潤さんのような方がメディアの中でも増えるとさらにメディア業界も変わって行くと思っている。

堀潤さんは素晴らしい人であり、それを再確認出来ました。メディア業界に属する方や関心がたいことある方はぜひ一読下さい。